取扱注意!釣りで出会う海の危険生物図鑑

釣りをしていて出会う生き物の中には、毒や鋭い歯を持っているものがいます。
「知らなかった」「ついうっかり」では済まないほど攻撃力が高い生き物だって珍しくないのです。

ですが、危険な生き物がいるということを事前に知っておけば、リスクは最小限にすることができます。
しっかり覚えてぼうけんに出かけましょう!

アイゴ(藍子)


スズキ目アイゴ科アイゴ属
体長:30cm
旬:10月~2月
生息地:本州・朝鮮半島南部から琉球列島

背びれ、腹びれ、尻びれに毒のあるトゲを持ち、刺されると強烈な痛みが数時間続きます。
最近は関東でも通年釣り上がっているところを見かけるので、特に注意が必要な魚です。

ゴンズイと同様、死んでもトゲの毒は消えないため、釣り上げたらハサミで切断してしまいましょう。
切り落とした毒棘は必ず海に流し、絶対に釣り場に放置しないようにしてください。

★食味★
近年、三浦半島などで生息数を増やしており、磯焼けの一因にもなっているというアイゴ。
ぜひ釣ったアイゴを食べて数を減らしたいところですが、この魚は強烈に磯臭いことで有名です。
なんと「バリ(小便の意)」「ネションベン」などという、もはや完全な悪口としか思えない名前で呼ぶ地方もあるほど。

臭いを含めた食味は生息域によっても違いがあり、瀬戸内地方では好んで食用とされているそうですが、関東近郊で釣りあげたアイゴを食用とするにはかなりのスキルが必要です。
主に内臓が臭いの元なので、食用としたい場合は釣り場で頭ごと内臓を処理して持ち帰るのがよいでしょう。

ウツボ(鱓)


ウナギ目ウツボ科ウツボ属
最大体長:1m前後
旬:12月~3月
生息地:南西諸島に多く分布

かの有名な鋭い歯と大きな口を持つ大型肉食魚。
ウツボの噛み付きには要注意!

毒はありませんが、顎の力が強く、ナガモノに特有のローリング技を使ってくるので本当に危険です。
そのえげつない攻撃力はまさに「海のギャング」!

指先を食いちぎるくらいは難なくやってのけるので、取り扱いは慎重に。
※たとえ死んでいても、絶対に口の中に手指を入れてはいけません!

また、ややスカベンジャー寄りの食性のため、ウツボの口の中は雑菌が繁殖しています。
重篤な感染症の原因になる場合があるので、万が一噛まれてしまったら即座に病院に行きましょう。

★食味★
外道として嫌われているウツボですが、下処理さえきちんと行えば非常に美味。
皮が厚く、ぬめりと臭みがあるため少々調理に手間がかかるかもしれませんが、見た目に反してその身は白く綺麗です。



オニオコゼ(鬼虎魚)


カサゴ目オニオコゼ科オニオコゼ属
最大体長:30cm
旬:6月~8月
生息地:関東以南の太平洋と新潟県以南の日本海、東シナ海に分布

単に「オコゼ」とも呼ばれるオニオコゼは、背びれに目立つ長いトゲを持ち、そのトゲには毒腺があるため注意が必要です。
刺されてしまうと患部が腫れ、激痛を伴います。
トゲ部分が体に対し広いため、十分に気をつけて扱う必要があります。

★食味★
見た目はなかなかブサイクなオニオコゼですが、味はとても良いんですよ。
「夏のフグ」とも呼ばれ、今では高級魚として扱われています。
コリコリとした歯ごたえと、淡白で上品な味が絶品です♪

キタマクラ(北枕)


フグ目フグ亜目フグ科キタマクラ属
体長:15cm
旬:???
生息地:関東以南、沿岸のサンゴ礁域や岩礁域

なんとも縁起の悪い不吉な名前の魚、キタマクラ。
皮膚にテトロドトキシンという猛毒を持ち、食べたら死んでしまうことから、死者を寝かせる際の「北枕」が名前の由来です。

有毒箇所が皮膚なので、なるべくメゴチバサミなどの道具を使い、直接触れないように気をつけてください。
特に手指に傷口がある場合などは要注意です。

また、フグ科の魚に共通の特徴として、「板歯」と呼ばれる板状の歯を持っています。
上下の顎に計4枚の板歯を持つくちばし状の口は強力で、釣り糸はもとより時には鈎も咬み切られてしまうほど。
もちろん、咬まれでもしたら大惨事なので、鈎を外す際は取扱いに細心の注意を払いましょう。

★食味★
しかるべき調理をすれば食べることはできるそうですが、素人料理で食べられる魚ではありません。
様々な釣りの外道として登場しますが、良い子は釣れてもそのままリリースしてくださいね。



クサフグ(草河豚)


フグ目フグ科トラフグ属
体長:10cm前後
旬:???
生息地:青森県から沖縄。東シナ海、朝鮮半島南部

釣り人の間ではエサ泥棒として嫌われています。
エサを盗られるだけならまだしも、非常に強靭な歯を持っているため、釣り針ごと噛み切られてしまうことも…。

また、ぷくぷくっとした見た目が愛らしいクサフグですが、やはり「テトロドトキシン」を保有しています。
取扱いには充分注意してください。

★食味★
唯一食用できる部位の筋肉は透明感のある白身でよく締まっていますが、素人は原則として調理しないでください。

あ〜る
うっかり食べるとマジで死にます。

ゴンズイ(権瑞)


ナマズ目ゴンズイ科ゴンズイ属
体長:15~20cm
旬:11月~3月
生息地:本州中部以南

ナマズの仲間であるため、成長するとナマズとよく似た姿になりますが、背びれと胸びれに毒棘(トゲ)があり、刺されるとひどい激痛にみまわれます。

この毒はゴンズイが死んでも失われることがないので要注意!
釣りあげたゴンズイや切り落とした毒棘は必ず海に戻し、釣り場にそのまま放置しないようにしましょう。

万が一刺さってしまった場合は熱いお湯に患部をつけて応急処置を行い、必ず病院で診察を受けてください。

★食味★
一般的に食べられることはあまりありませんが、知る人ぞ知る美味な魚。
かぼちゃと一緒に味噌汁にしたり、蒲焼きがポピュラーな料理です。

なお、加熱することで毒は消えますが、毒棘の鋭さはそのままですので危険であることに変わりはありません。
背びれと胸びれの毒棘はハサミで切ってから調理してくださいね。

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